論文「Multi-timescale management models for distributed energy resources and a two-stage incentive design for demand-side grid flexibility provision」がSustainable Energy, Grids and Networks(IF 4.8、2025年2月現在)に掲載されました。生田 海志郎君(M2)の卒業研究から大学院1年目までの研究成果をまとめました。住宅からの電力系統調整力提供の社会実装に向けたインセンティブ設計に関する論文です。前日段階でインセンティブの調整幅を設定し、当日に調整幅の中で具体的にインセンティブを決定することで、安定して系統調整力を調達できる可能性があることを示しました。前日、一時間前、リアルタイムの3段階を模擬できるマルチタイムスケールモデルを開発し、シミュレーションによって提案インセンティブ手法の有効性を評価しました。今後は、より詳細なシュミレーションを行うとともに、最適なインセンティブの大きさの探索、エネルギー機器(DER)の特質などに関する分析を進めていく予定です。この研究成果は、自然変動電源導入に関する障害、特に九州を中心に深刻となっている太陽光発電出力抑制の低減に寄与し、カーボンニュートラル実現に貢献することが期待されます。論文はこちらをご参照下さい。
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