太陽光発電大規模導入に向けた系統調整力のための需要家機器運用技術の開発


近年普及が進む太陽光発電は出力が天候に左右されるため大規模な導入により電力系統のバランスを崩すことが懸念されています。本研究では,この問題に対し需要家が保有する家庭用燃料電池やヒートポンプ給湯機といった分散型電源を利用することに着目しました。

この対策の課題の一つは,需要家に協力を得る必要があることです。そこで需要家と市場や電力会社との仲介役であるアグリゲータが時間帯別電気料金を設定し,電気が余っている時間は料金を安く足りない時間は高くすることで需要家に協力を促すことを提案しています。

前日に需要予測などを利用し運用計画を立案し,当日それを基に実績データを利用し提供できる系統調整力に関して分析をしています。ここで予測は不確実性を含んでおり当日に提供できる系統調整力に誤差が生じるので当日の機器運用ルールを作成し不確実性に対応することを目標に研究しています。さらに,シミュレーションの妥当性を検討するために実機(ヒートポンプ給湯機)を用いて検証を行い,実用化への課題の抽出をしています。